一般社団法人愛媛県医師会のホームページにお越しいただきありがとうございます。一昨年は元旦から能登半島での大地震や羽田での航空機事故に始まり、昨年はトランプ大統領の誕生、日本でも政権の不安定さが露呈したり「狂乱」とも言える物価高で生活に大きな負担が生まれました。また三陸沖で大きな地震があったり熊による人的被害も多くあり不安な一年でした。世界に目を転じると、なんといっても戦争や紛争のない日常を強く求めたいと思わずにいられません。
今年は「午年」。馬は大昔から人間にとって善きパートナーであり、最も身近な生き物として親しまれています。馬の速く走る姿や力強く働く姿から生命力や行動力の象徴とされ縁起の良い存在とされています。「人間万事塞翁が馬」と言います。私たちは、この数年、新型コロナウイルスやインフルエンザに翻弄されてきましたが、これを良い経験として学び、次の新興感染症や大規模災害に備えているところです。「馬九行久」…今年は万事、「うまくいく」ともいわれます。ぜひともそんな一年にしたいですね。
医療費の節約が求められています。関係各方面からさまざまな手段の提案が出されていますが、どれも本質的なものではないような気がします。禁煙や運動を代表に国民のヘルスリテラシーを高め、「未病」であることを推し進め、健康診断を積極的に受け病気の早期発見・早期治療を可能にすることによってかかる医療費を安価に済むように工夫し、さらに仮に病気を得ても仕事と両立できる社会を構築して、健康寿命をできるだけ延伸させる‥これが実現できれば医療費は逓減できます。一方で運悪く病を背負ってしまった場合は、その人その人にとって最善の医療がどんな人でも平等に安価に受けられるような社会保障制度を国民みなで負担し支えていくことも欠かせません。
ほとんどの医療機関は収入のほとんどを診療報酬と言う公定価格に依存しています。諸物価が高騰し人件費負担も重くのしかかるうえに未曾有の人手不足があるにもかかわらず、長年にわたって診療報酬(公定価格)は意図的に低く抑制されています。そのため、県内でもほとんどの病院と大部分の診療所が赤字経営を余儀なくされています。赤字が出ても患者さんがたから頂戴する医療費に赤字を転嫁する(値上げする)ことができません。このため「地域から病院や診療所が突然なくなる」こともあり得ますし、もう既にご不便をおかけしている地域もあろうかと懸念しています。今年から医療費の自己負担は少し増加しますがご理解をいただきたいと存じます。愛媛県の生産年齢人口はこれからどんどん減っていきます。医療や介護を支えてくれる若者の数も減ります。その影響を最小限にとどめるために私たちも知恵を絞っているところです。
今年もよろしくお願いいたします。