2022年3月17日

(1)令和4年3月17日

 3月16日(水)深夜に福島県浪江町の東北東72Kmでマグニチュード7.3の地震が発生しました。宮城県・福島県で震度6強の大きな地震が観測されました。この地震で4名の方が死亡され、少なくとも199名の方が負傷されています。当初は数百万人の方が停電しました。火災が発生しているとの報告もあります。幸い原子力発電所の被害はありませんでしたが火力発電所3基が停止しています。東北新幹線の脱線は大きく報じられましたが仙台市地下鉄も大混乱しているようです。さらに第2波第3波の余震やわずかですが津波も確認されています。

 私は東日本大震災の年、被災者支援のための被害の大きかった宮城県石巻市に医療支援に入りました。荒れ果てた門脇地区や大川小学校、雄勝地区を見ると胸が詰まり言葉も見出せませんでした。今回、石巻訪問時の看護師に問い合わせたところ室内の物品は散乱したけれど大きな被害はなかったとのことでした。それでも11年前を思い出し深夜に北上支所(診療所)の安全確認に出かけたそうですから使命感を感じます。福島県郡山の知人の医師の安否を尋ねたところ生命は大丈夫であるが物品は散乱しているとのことでした。

 皆さん11年前を思い出し大変な恐怖感を味わっているものと思います。また今回、最も大きな震度を観測したのが宮城県登米市でしたが、ここは前回の東日本大震災超急性期救援チームが石巻にアクセスするための拠点になったところでした。私たち愛媛県民も南海トラフ大震災のリスクを抱えていますし、県内に原子力発電所を持っています。愛媛県医師会も大規模災害に備えて全力で準備していますが、災害は想定外のレベルでやってきます。やはり皆で自助・共助・公助いずれもぬかりなく助け合いたいものです。

(2)ウクライナ・ロシア紛争について

 私たち愛媛県医師会は、仮にどんな理由があったにせよ戦争や殺戮には大反対します。平和の大切さを皆さんでかみしめましょう。しかし隣国のリーダーの中には平和を希求する民族の希望など無視して一方的に侵略し、原子力発電所への攻撃も厭わないという正気の沙汰とは思えない決断をするリーダーがいることもわかりました。日本人の常識が決して世界にあまねく通用するものではないことを実感した1か月でした。私たちは、やられっ放しのウクライナ国民を支援しなければならないと思っています。遠い国で直接的な支援をすることはできなくても、愛媛県内に逃れてくるウクライナ国民がいた場合には暖かく迎えてあげたいものです。一方で県内在留のロシア人関係者にとってはなんの関係もない話です。誹謗中傷・差別することはやめましょう。彼らも苦悩しているのです。