2023年1月10日

新型コロナウイルス感染症に関する会長からのお願い

コロナに「かからない」「うつさない」「ひろげない」…

 県民の皆様、新年おめでとうございます。新年の良き日に臨み謹んで今年一年の皆様の安寧と弥栄をお祈り申し上げます。

 私たち愛媛県医師会は県民の皆様の健康管理やご病気の相談と疾病の予防から介護に関する問題や福祉の利用などについて様々な問題の改善を目指し、県民の皆様の安心安全に貢献をしてまいる所存です。

 さて令和5年1月現在、新型コロナウイルス感染症は第7波を遥かに凌ぐ感染拡大第8波の真っただ中にあり、昨年12月末からの季節性インフルエンザ流行もあいまって、危惧していたコロナとインフルエンザの同時流行の局面に入っています。発熱外来はコロナの患者さんとインフルエンザの患者さんが混在し大混雑になっています。入院を必要とする患者さんのために各病院で準備している病床の利用率は限界に近い60~80%に達し、スタッフの疲弊は極限に達しています。また連日のように10名近くの尊い命が失われています。その多くは既に何らかの病気や障がいを持ち抵抗力の低下した高齢者です。しかし感染拡大の最大のVolume Zoneは若い世代の方たちです。つまり若い世代の方たちの感染が巡り巡って高齢者の命を奪っている構図に思いを致していただきたいと思います。

 一方、昨年からのウクライナ危機・ドル高円安の進行・各種資源価格の高騰などから日本経済は正念場を迎えており「経済を回せ!」と声高に叫ばれる中での3年ぶりのお正月と称した帰省ラッシュ・同窓会・忘年会・成人式など大勢の会食の機会が増すたびに感染者が増加し愛媛県でも医療ひっ迫が回避できない状況に追い詰められています。ある病院では重症患者の受け入れ停止・他の診療科の病棟閉鎖など今までにない困難が現実となっています。さらに海外旅行者の入国制限が撤廃されると同時に新たな変異ウイルスが必ず持ち込まれるものと覚悟しなければなりません。

 「高齢者の都合で若者の行動が規制されるのは迷惑だ」「未だにマスクにこだわるのは世界の潮流に乗り遅れている」「ワクチンの反復にどれだけの意義があるのか」若者たちからそんなご批判があることは十分承知しています。しかし私たちは「感染者数を減少させることこそが最大の経済対策」と繰り返し訴えてきました。新型コロナウイルス感染症を収束に向かわせることによってのみWith Coronaの時代にふさわしい消費マインドを喚起させることになります。つまり感染症対策と社会経済活動は決して対峙するものではなく、むしろ両立させることが可能であり、新しい日常のためには両立が欠かせないと考えています。自主的な節度ある行動・適切な感染回避・積極的なワクチン接種にご協力をお願いいたします。感染症をコントロール可能なものにし安心して毎日を楽しめるようにしたいものです。