2023年11月27日

新型コロナウイルス感染症に関する会長からのお願い

 いつも愛媛県医師会のホームページをご覧いただきありがとうございます。

 オミクロンXBB1.5株による長かった感染第9波も県下では完全に峠を越え収束に向かう見込みですが、新しい感染は決してゼロにはできていません。このままダラダラと少数の感染が続くことをエンデミックと呼び、まさに私たちの社会が新型コロナウイルスと共存する(With Corona)状況も想定しなければなりません。一方、専門家によれば、これから寒くなるにつれ、あと一波は大きな感染の波がやってくるものと想定されているようです。これはオミクロンの変異株による感染第10波になりますが、来年3月末まで行う予定の現行のコロナワクチンで感染の予防ないし重症化予防に有効であるとされています。感染すると重症化の恐れのある高齢者や基礎疾患を有する方、あるいは施設入所者の皆さんには積極的なワクチン接種を呼びかけています。過去にコロナウイルス感染症にかかったことのある方も、もう安心というわけではありません。ウイルスの型が変わっているので、2回3回とコロナウイルス感染症にかかってしまった人もいらっしゃいます。

 一方、例年になく早く始まったインフルエンザ感染拡大は夏休み明けの運動会や新人戦において学校現場での混乱をきたしました。また、新居浜・西条・宇摩圏域では秋祭りの準備等の時期から祭りに参加する世代の方たちを軸に感染が拡がり、しばらくは東予においてインフルエンザ抗原検査キットが枯渇し、発熱外来の受付を停止せざるを得ない医療機関も現れ、社会が混乱し医療もひっ迫いたしましたが、ようやく峠を越えた感が見えてきました。しかし油断は禁物です。愛媛県下での夏休みから秋祭りにかけてのインフルエンザ流行拡大は概ねA型H1N1ウイルスによるものでした。しかし現在、東京での感染状況を見るとA型H1N1ウイルスと遅れてA型H3N2ウイルスが混在するようになっており、B型ウイルスも若干見られています。運の悪い人は今冬3回インフルエンザに感染する可能性があるということです。おそらく今冬のうちに、もう一山感染拡大の波があると考えています。現在接種が行われているインフルエンザワクチンはA型H1N1にもA型H3N2にもB型にも有効であるとされています。すべての世代の皆様に積極的なワクチン接種の検討をお願いしています。

 基本的な感染予防対策の徹底をあわせて呼びかけています。