医師会立看護養成所に関する愛媛県医師会の見解

 看護系大学は2018年4月で263大学276課程になり、入学定員は2万3667人に上ります。文部科学省としては、今後も新設の申請に当たり、附属病院を持たなくとも提携実習施設ありと認められれば、許可せざるを得ないと思われます。

 日本医師会からは、2013年6月に文科省に対し、看護系大学の認可に当たって、既存の看護師・准看護師養成所の実習に影響を与えることのないよう十分指導していただくように要望しているところです。

 看護系大学自体は上記のごとく増加していますが、卒業生の就業状況を見ると、全国の各県で県内就業率の平均は6割程度で、県によっては4割台のところもあります。さらに診療所へ就業することはほとんどなく、県内でも都市部に就業が偏る問題もあります。残念ながら、これからの日本の医療・介護に求められる地域の看護職員の確保につながっているとは到底言えません。

 地域の看護職員を確保するためには、その地に根差した養成が非常に重要です。医師会立の養成所は、まさにそれぞれの地域で養成することにより、地域に多大なる貢献をしています。もし医師会立の養成所がなくなれば、特に地域に密着した中小病院・診療所の看護職員の確保はさらに困難になります。医師会が養成所を運営する上では、さまざまな困難や課題がありますが、今後も養成を続けていくことが必要と考えます。

2018年6月 愛媛県医師会